Al-Mn系合金フィン材の再結晶挙動に及ぼすジルコニウム添加と中間焼鈍条件の影響

摘要

Al－Mn系合金は，強度やろう付性等に優れていることから熱交換器用フィン材として広く使用されている。特にろう付性向上のためにはろう付加熱時の再結晶粒を粗大化させることが効果的であり，再結晶粒粗大化のためには，再結晶粒の核生成サイトとなるような粗大晶出物を少なくすることや焼鈍時に微細析出物を分散させ，再結晶を遅延させることが有効であるとされる1）。Al-Mn系合金の場合，熱処理やFe，Siの添加によって再結晶挙動が大きく変化することが知られているが1），2），更なる再結晶粒粗大化のため，連続鋳造法を用いて作製した熱交換器用フィン材に関する研究も行われている3）。その一方で微細析出物による再結晶遅延を目的として，励を添加したAl一瓦免1系合金の再結晶挙動への影響についても報告がなされている. しかしながら，熱交換器用フィン材の製造工程中には中間焼鈍を始めとする熱処理工程が多数含まれていることから，盈の添加を考慮する際には，熱処理温度におけるZrの挙動を調査することが重要であるが中間焼鈍温度の影響についての報告は少ない。そこで本研究では，Al-Mn系合金の再結晶挙動におけるZで添加および中間焼鈍の影響を調査した。