Mg－Al-Ca系合金高速押出し材のミクロ組織·引張特性に及ぼすMn添加量の影響

摘要

Mg合金は実用金属材料の中で最も低密度であることから、自動車や鉄道車両などの構造部材への適用が検討されている。特に、品質および生産性に優れる押出し材への関心が高まっており、Mg合金押出し材の実用化に向けた研究が活発に行われている。Mg合金押出し材の実用化に際しては、押出し加工の高速化が必要となるが、商用AZ系合金の押出し限界速度は、高速押出し用·中強度6000系Al合金の1/2～1/3程度である［1］。近年では、添加合金元素量の希薄化により、高速押出し用·中強度6000系鳳合金並みの押出し性を有するMg合金が開発され閉、さらに、高速で押出し加工を施した希薄Mg合金でも、商用AZ31合金を上回る200Mpa以上の0．2％耐力を得られることが報告されている［3]。しかし、輸送機器の構造部材としてMg合金を利用するためには、Mg合金のさらなる高強度化が必要となる［4］。一般的に、商用AZ合金には、耐食性の向上を目的としてMnを添加する［5]が、AlとMIlを同時に添加することで、ナノサイズのAl－Mn化合物を形成し、強度特性の向上も期待できる［6］。本研究では、希薄Mg合金高速押出し材の高強度化を目的として、M五添加量を変化させた希薄Mg-Al-Ca-Mn合金に高速で押出し加工を施し、本系合金の諸性質に及ぼす胞添加量の影響を調べた。