難燃性マグネシウム合金による鉄道車両構体部分パネルの製作基調

摘要

現在　高遠鉄道車両の構体は，アルミニウム合金により製作されている．アルミニウム合金は，押出により難形状形材を容易に製作できることや，気密構体を製作するうえで多くの利点があるためである．今後，高速鉄道車両が更なる高速化，省エネルギー化を実現していくためには，図1に示すように，普通鋼製の100系新幹線の車両構体が300系新幹線の車両構体にアルミニウム合金製に代わり約40％軽量化できた1）ことと同様に，構体材質の変更による更なる軽量化が考えられる．これを実現する手段のひとつとして，アルミニウム合金よりも軽量で高比強度であるマグネシウム合金の構体への適用が考えられる2）．　M??系合金にカルシウムを添加した難燃性マグネシウム合金は、発火特性を大幅に改善した合金であり，高い安全性が要求される鉄道車両構体への適用が考えられる3）．そこで，押出形材の成形性加工性溶接性および表面処理性等の確認を目的としてAZX611（Mg－6wt％Al－1wt．％Zn－1wt．％Ca）合金を用いて，鉄道車両構体部分パネルの製作を行った．ここでは各種接合方法の検討結果を中心に紹介を行う．