担持金属触媒によるアセトフェノンの液相水素化－担体による溶媒効果とCO2加圧効果の相違

摘要

液相反応は温度調節が比較的容易であるため，化学合成プロセスの多くで用いられているが，総括の反応速度や反応選択性が用いる溶媒の種類によりしばしば大きく変化する。そのため反応に対する溶媒の効果を知ることは重要である。最近，反応溶媒として水が注目されている。水は環境負荷が低いだけではなく，反応を促進する効果を持つことも知られている。さらに，我々の研究室では水と加圧CO2が共存する系で，反応速度や反応選択性が著しく向上することをいくつかの水素化反応で明らかにしている。水一加圧CO2系は興味深い反応場であるが，その応用例は少ない。