TiO2粒子-メソポーラスシリカ複合光触媒への分子吸着による反応加速効果

摘要

近年、地球温暖化や水質汚染といった環境問題が問題視さ れている。光触媒である TiO2は紫外光照射によって高い酸化力と還 元力を示し、大気や水の浄化、脱臭、抗菌といった実用化の研究が 盛hに行われている。当研究室では、酸化チタン粒子(P25)をメソポ ーラスシリカ(MPS)で包含した複合体(Fig.1)について研究を行って おり、 この複合体は、アルキルフェノール類の光触媒分解において、 吸着の分子選択性に対応して光触媒による分解速度も分子選択性 を示した[1, 2]。ここで注目すべきことは、複合体は、反応速度の絶 対値においても、P25 の数倍の高い活性を示した[2]。本研究では、 この複合体を用いたメチレンブルー(MB)色素の光触媒分解におい て MBの初期濃度と初期反応速度の相関関係を調査し、メソポーラ スシリカとの複合化により光触媒活性が向上する要因を検討した。