Ca2AlMnO_(5+δ)担持 Pd 触媒の自動車排ガス浄化性能

摘要

自動車の排気ガス中に含まれる炭化水素，一酸化炭素，窒素酸化物 (NOx)は，貴金属触媒を用いて浄化さ れ，無害な CO2と窒素に変換される．近年，環境負荷低減の観点から排ガス規制が世界的に高まっており， 冷間時の脱硝性能のさらなる向上が求められている．また，ガソリン自動車の排ガス浄化が困難な点として， 排ガス中の酸素濃度を適切な範囲に維持できなければ，触媒性能が著しく低下してしまうことが挙げられる． そこで，新規触媒材料開発においては，触媒表面付近の酸素濃度変化を抑制できる酸素貯蔵機能をもつ触媒 担体の使用が望ましい．これまでに，我々は高い酸素貯蔵能を示す Ca2AlMnO5+·（CAMO）を触媒担体に用い た Pd 触媒が幅広い酸素濃度域で高い触媒活性を示すことを報告している ． 1)