高炉スラグの水和反応に及ぼす 種添加剤の影響 その 1.高炉スラグの水和反応性への影響

摘要

低環境負荷社会実現のためにセメント·コンクリート産業では高炉スラグ(BFS)の有効利用が注目されてい る。セメントの一部を BFS で置換することでクリンカ鉱物生産量の削減を可能にし、CO2排出量削減に貢献 できる。更に、大幅な CO2排出量削減を目指すためには、BFS 置換量を増加させた C 種レベルの高炉セメン トの使用も必要となる。しかし、BFS 置換量の増加は、初期強度発現性を低下させる 問題点がある。高炉セ 1) メントを汎用的に使用していくためには初期強度発現性の改善は必要である。一方で、坂井ら は Ca(NO2)2 2,3) (CN)やアミン系添加剤を添加することで、高炉スラグ高含有セメント(ECM セメント)中の BFS の反応性が増 加することを報告しており、高炉セメントの初期強度改善法として BFS の粉末度を増加させるだけでなく、 添加剤を使用することも検討していく必要がある。しかし、 種添加剤が BFS の水和反応に及ぼす影響につ いて体系的に検討している例は少ない。したがって、本研究では高炉セメント中で BFS と Ca(OH)2(CH)が共 存している事を想定した CH-BFS ペーストを作製し、セッコウ(CS·)、CN、CaCl2やアミン系添加剤のような添 加剤が BFS の水和反応に及ぼす影響について比較を行った。