遊星型ボールミルで調製したY2Si2O7-mullite 共晶組成ナノ粒子の結晶化過程

摘要

高温構造部材として応用が期待されているSiC-SiC 複合材料の耐環境皮膜に関して開発研究を進めている。 耐環境皮膜として、耐水蒸気腐食性に優れるLn2Si2O7(Ln=希土類)-mullite 共晶に着目し、簡単な熱処理で共晶 構造皮膜を作製する技術に関して検討している。Ln=Y に関しては、急冷固化したガラスおよびゾルゲル法で 調製したアモルファスの結晶化·溶融過程が詳細に調べられている。過去の実験事実として、密度が低いア モルファスの溶融過程では3 回の部分溶融-再結晶現象を示し、密度が比較的高いガラスバルクでは2 回の部 分溶融-再結晶現象を示したことから、アモルファスの密度と再溶融現象には密接な関係があると示唆される。 そこで本研究では、アモルファスの密度を制御する方法として、遊星ボールミルによる粉末結晶の強制粉砕 に着目し、密度の分布にむらのあるY2Si2O7-mullite 共晶組成を有するナノ粒子複合体を作製し、その結晶化 および溶融過程を調べた。