流通式水熱合成装置による TiO2粒子の作製

摘要

酸化チタン(TiO2)は、幅広い分野に応用されている透明酸化物で、天然に存在するルチル型、アナターゼ 型、ブルッカイト型をはじめ、いくつかの特殊な結晶相が存在する。しかし、太陽電池や白色顔料、塗料、 食品添加物、 光触媒などに用いられているルチル型やア ナターゼ型に比べ、その他の結晶相は、作製が非常に困 難なことから、十分な議論が行われていない。そこで 我々は、新たな TiO2 の機能性探索や現在使用されてい る TiO2 の高性能化を目指し、研究事例が少ない作製が 困難な結晶相を対象とする研究に着手した。本発表で は、TiO2相を作り分ける方法として、前駆体にペルオキ ソチタン酸グリコール酸錯体を用いる化学的合成法に ついて、様々な水熱合成条件で作製した TiO2 の特徴を 回分式と流通式の違いに焦点を当てた内容で紹介する。