ラテント顔料含有セルロース-シリカハイブリッド膜を用いた リサイクル瓶用着色膜の開発

摘要

現在、資源の大量消費やごみの蓄積が大きな社会問題であり、リサイクル可能な製品の開発が進め られている。中でも着色ガラス瓶の完全リサイクルは重要な問題となっている。従来の着色ガラス瓶には、 遷移金属イオンといった無機顔料が用いられており無色化が非常に難しい。これが瓶から瓶へのリサイクル の弊害となるため、容易に無色化可能な着色ガラス瓶の開発が求められている。本研究では、天然素材由来 の酢酸セルロース(DAC)を基本骨格とし、光ラジカル重合とゾル-ゲル法によるセルロース-シリカハイブリッ ド薄膜を合成した。着色にはラテント顔料を導入することで均一多色化膜の作製を可能とした。この膜は高 温処理による無色化が可能なため、低環境負荷かつ耐久性の高い完全リサイクル着色瓶の開発が可能となる。