ビスマスホウ酸ガラスの リチウムイオン電池負極活物質としての電気化学特性

摘要

ビスマスホウ酸ガラスは低融点、高屈折率など高い機能性を有しており、封着ガラスとして用いら れている。また、ビスマスがリチウムと共に合金化することによりリチウムイオン二次電池の負極材料とし て機能することも知られている 1) 。しかし、合金系負極材料は合金化に伴う大きな体積変化の影響により電 極の崩壊を引き起こすため電池性能の劣化が激しい。同じく合金系負極材料として開発されているスズリン 酸系負極材料においては、スズリン酸ガラス中に予めスズ金属を析出させることで電池性能が向上すること が報告されている 2) 。本研究では、ビスマスホウ酸ガラスの還元雰囲気下熱処理によりビスマス金属を析出 させることで電池性能の向上を期待し、ビスマスホウ酸系ガラスのリチウムイオン電池負極活物質としての 機能性を明らかにすることを目的として、熱物性、結晶化挙動、電気化学特性を調査した。