超音波を使用した粗大なスコロダイト粒子の合成

摘要

砒素は薬剤や半導体などに使用され我々の生活に欠かせない元素である。しかしながら, 砒素は人体に有 害であるため, 排水中に含まれる砒素は適切な方法を用いて処理を行う必要がある。主に砒素は, 硫砒銅鉱 (Cu3AsS4), 砒四面銅鉱(Cu10Fe2AsS13)などの非鉄金属鉱石中に硫化物として存在している[1]。近年鉱石中に 含まれる銅品位の低下によって砒素の含有率が増加傾向にあり, 銅精錬における繰り返し処理によって生じ る高濃度の砒素の処分が問題となっている。そのため高濃度の砒素を銅精錬の系統外へ排出して安定に砒素 を固定化する技術の開発が行われている。現在砒素の貯蔵材料としてスコロダイト(FeAsO4·2H2O)が報告さ れている[2]。スコロダイトは pH等の環境変化においてもヒ素がほとhど溶出することはないため、ヒ素の 貯蔵材料として有望視されている。特に粒径が大きく比表面積の小さなスコロダイト粒子が望まれている。