軽水炉事故耐性 SiC炉心材料の試作（第 1報）

摘要

軽水炉用炉心材料にはジルコニウム合金が使用されている。福島第一原子力発電所の事故では原子炉の冷 却が不能となり、燃料温度が上昇し、ジルコニウム合金の急激な酸化反応により多量の水素が発生したと推 定されている。過酷事故時に冷却機能を保つことで燃料温度の上昇を回避すればこのような事象を防ぐこと もできるが、さらに炉心材料から水素を生じさせない方策として、ジルコニウム合金を耐熱性、耐酸化性に すぐれたセラミックへ変更することが有効である。セラミックスとして炭化ケイ素(SiC)複合材を事故耐性炉 心材料に適用することが期待されている。