ヘリウム置換法によるナノポーラスカーボンの真密度評価

摘要

ナノポーラスカーボン(NPC)の真密度は様々な物性に影響を与えると考えられる。Figure 1は過去に 報告された約 70件の論文から得た NPCの真密度と比表面積の関係である。大まかに NPCの比表面積は真密 度に比例して増えることがわかる。本研究室では籾殻炭をアルカリ賦活処理することにより、3000 m2 /g 程の 比表面積を有するNPCを作製してきた1) 。作製したNPCは乾燥時には六角網面が不規則な積層構造からなり、 吸着時にはそれらが規則配列することが想像している 2) 。以上より、作製した NPCは低密度構造であると仮 説を元に，精密な真密度測定法を提案する。NPCの真密度評価として、ガス置換法に注目した。ガス置換法 は、測定時に置換媒体としてガスを用いており NPCに対しても高精度 測定が可能だと考えた。本研究では NPCに対して不活性であるヘリウ ムガスを用いて、ガス置換法で真密度を測定しその特異性を調べる。