スプレードライを用いたセラミックス粉末製造工程の 粉体レオメトリーならびに Real time 粒子径監視技術を用いた評価

摘要

スプレードライ法とは、原液を瞬時に粒子にすることが可能な噴霧乾燥法である。本法は、原液を乾燥室 内のノズルまたはディスクにより微粒化し、単位体積あたりの表面積を増大させながら連続して熱風を接触 させることにより瞬間的に乾燥·造粒を行い、粒子を製造する。したがって、熱に敏感な物質であっても変 質が極めて少なく、濃縮、濾過、粉砕、分級、乾燥という多くの工程を一挙に省略することが出来得る手法 であり、セラミックスへの応用も期待されている。スプレードライ法によって得られる顆粒の各種特性は、 特にファインセラミックスの分野では重要である。この理由として、スプレードライ法の目的は、流動性の 高い粒度分布がシャープな顆粒体を成形することにより、焼結体の欠陥を小さくし、高密度な製品が得るこ とだが、顆粒体の特性が焼結体のそのものの強度に反映されるためである。また、近年の各種材料に求めら れる性能は、一昔前に比較すると非常に高度なものとなりつつある。したがって、従来に行われていたオフ ライン、アトラインでのプロセス監視·制御技術では、その分析頻度が低いことから、効率的な工程の制御 や理解が困難とされる場合も多い。 このような要求に応える一つの手法が、空間フィルター速度法による Real Time 粒子分析技術である。粒子径の情報は、スプレードライ工程において、もっとも基本的なパラメータで あるため、その応用は有用なものと考える。また、得られた紛体そのものの物性、特に流動性などとの関係 を考察することで、より深く工程を理解できるため、興味深い。今回我々は、スプレードライ工程を Real Time 粒子分析ならびに紛体流動性を用いて多角的に評価を行ったので報告する。