(P0004)熱的照射によるAl-Cu合金の析出過程のPhase-Fieldシミュレーション

摘要

時効析出現象はアルミニウム合金を高強度化する最も有効な手法である。時効により母相中に析出物が析出して高強度化に寄与するが、過度に時効が進行すると析出物の数が減少するとともに大きさが増大して強度が低下する。また、母相のアルミニウムと析出物とで格子定数が異なれば、析出物の生成?成長過程において界面の歪エネルギーが大きな影響を及ぼす。したがって、時効析出現象によりアルミニウム合金を高強度化するためには、析出物の析出機構を理解したうえで適切な熱処理を施し、析出物の形状?分布をコントロールすることが必須である。最近では、照射促進偏析現象を利用して局所的に析出物を析出させ、硬さ分布を制御しようという試みも行われている。そこで、本研究はPhase-Field 法を用いてAl-Cu2元系合金に熱的照射を行うことによって起こる析出過程をシミュレートし、硬さ分布制御の可能性について検討した。