(P141-P0129)Gd5(SixGe1-x)4 系合金を含むMg 基複合材料の作製とその磁気的特性評価

摘要

従来の冷凍技術にはガスの圧縮膨張を利用して発現する冷却効果を使用しているが、エネルギー効率が悪いことや、フロンガス等の温室効果ガスを使用しているため、環境への負担が大きいことが問題となっている。この問題を解決するために、磁気熱量材料が注目され始めている。磁気熱量材料は磁性体に外部磁場を与えることで発現する磁気エントロピー変化を利用して冷却を行うことができ、エネルギー効率が高く、フロンガス等を使用しないため環境にやさしい材料である。特にGd5(SixGe1-x)4系合金は室温付近で大きな磁気熱量効果を示すため、新しい冷凍技術として冷凍機や空調設備への応用が期待されている。しかしながら、磁気熱量材料の実用化にあたり、よりエネルギー効率を上げる必要があり、高い熱伝導率が要求されるがGd5(SixGe1-x)4 系合金を含む磁気熱量材料は熱伝導率が悪いことが問題となっている。本研究では、Gd5(SixGe1-x)4 系合金粒子を熱伝導率の高いマグネシウムに分散させたGd5(SixGe1-x)4 系合金/Mg 基複合材料を本研究室独自の三次元溶湯法(3DPC)よって作製し、磁気熱量効果の評価と熱伝導率の測定も行った。加えて、SEM やTEM を用いて微細組織観察を行った。