(343-0372)Zr,Ni 及びTi を添加したCu-42massZn 合金のミクロ組織観察

摘要

本研究室では四六黄銅の微細構造と硬さの関係を調べており,β'単相状態から低温で焼鈍すことで板状α相が生成し,焼鈍し時間の増加とともに硬さが変化することを報告している1).板状α相の生成過程はベイナイト変態によるものとされており,板状α相の結晶構造は9R 構造→fcc 構造へと変化する2,3).四六黄銅の機械的性質を改善する方法としては第三元素の添加があり,以前までの研究ではMn やSi などの種々の元素を添加することで,最大硬さや最大硬さに到達するまでの時間が変化したが,添加元素が相分解時にどのような影響を与えるかは未だ判明していない.本研究ではCu-42mass%Zn 合金をBase 合金として亜鉛量を変化させずにZr,Ni 及びTi を添加した.これらの合金の各焼鈍し時間での硬さ測定,走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)による組織観察を行い,それらの結果の比較検討を行った.