(0328)有機溶媒硝酸電解浴陽極酸化TiO_2の皮膜特性および光触媒特性に及ぼす通電時間の影響

摘要

TiO_2 皮膜は、光触媒反応により抗菌性を発現することが知られており、医療材料としての応用が期待されている。しかしこの皮膜は紫外光のみに反応し、可視光照射下においてはこのような反応は発現しない。TiO_2 皮膜に可視光応答性を持たせることができれば、抗菌作用によって、医療行為中の感染症リスクをより軽減できると考えられる。我々はこれまでに、Ti 基板を有機溶媒硝酸電解浴中で陽極酸化することで、可視光下でも抗菌性を発現するN ドープTiO_2 皮膜を作製できることを報告してきた[1]。この皮膜の可視光下における光触媒活性を向上させるためには、この皮膜の形成メカニズムを解明することが不可欠である。そこで本研究では、陽極酸化における通電時間に着目し、各時間における皮膜の観察をすることで、皮膜成長および光触媒特性の通電時間に伴う変化を調査した。