(P6)電子ビーム積層造形された生体用 Co-Cr-Mo 合金の組織と力学特性への造形位置と熱処理の影響

摘要

電子ビーム積層造形（EBM）は金属の造形が可能な３Ｄプリンタの一種であり，これにより，形状，サイズを患者毎に最適化された人工関節やインプラントの作製が可能になると期待されている．一方，EBM で造形されたCo-Cr-Mo合金の組織が，その高さ位置によって異なることが見出されている1)．これは造形中に受ける熱履歴が高さ位置によって異なるためと考えられている．高さ位置による違いに比べて，造形空間の水平位置による熱履歴の違いは小さく，従って組織の違いも小さいと考えられている．しかしながら，その実証例はなく，どの程度組織が異なり得るかについては未だ不明である．これを明らかにすることは，EBM造形物の信頼性の保証の観点からも，造形後の熱処理による組織制御の条件探索の面からも重要な研究である．本研究ではEBM造形されたCo-Cr-Mo合金の水平位置が及ぼす組織の違いとその力学挙動への影響について調べた．