3B08翼素評価にCFDを用いたBlade Element Methodによるローター評価手法の構築と検証

摘要

航空機，回転翼機，パラフォイルなどの飛翔体を用いた火星探査に注目が集まっている．回転翼機を用いた探査は火星地表面の広範囲探査だけでなく，火星に存在する縦孔内 [1]の探査にも期待されている．それを受け，青木らは回転翼機を用いた縦穴探査の概念検討 [2]を実施した．また加納らは火星環境下での飛行に向け，三角翼型を用いたロータブレードの実験 [3]を実施した．図1に火星探査用ヘリコプターの概観を示す．この飛行には約20[N]の推力(必要推力係数0.006-0.008[-]程度)が必要であるが，希薄な火星大気で十分な推力を得るためには，ロータブレードの性能を高める必要がある．一方で，惑星探査において電力は有限であることから，低トルク設計が求められる．また火星では音速が低く，高速回転時，翼端から衝撃波が生じやすいため，翼端マッハ数を抑える必要がある．従って地球上での設計とは異なる翼型や平面形状を有するロータブレードを検討する必要があり，それらの火星大気中での性能評価手法が求められる．