宇宙環境曝露による炭素質ダストの変性

摘要

宇宙空間を漂う星間ダストの核形成は、主に終 焉を迎える晚期型巨星が、恒星進化の過程で生み 出した重元素を含むガスを宇宙空間にまき散らす 過程で起こると考えられている。恒星風ガスを材 料に凝縮した星周ダストは、星周空間を離れ、や がて星間ダストとして宇宙空間を漂い、いずれは 再び分子雲にとりこまれ次世代の星形成サイクル に寄与する。このように、星間ダストは、宇宙空 間の化学進化や銀河内のエネルギー収支の理解の ために、極めて重要な研究対象である。星間ダス トの真の姿を理解しょうとする試みは、多くの研 究を通じて成されて来たが、依然として、我々が 実験室で扱うダストと、実際に宇宙空間に存在す るダストの同一性が確認できた例はほとhどなレヽ。 国際宇宙ステーション（International Space Station; ISS)きぼう実験棟の簡易曝露実験装置（Exposed Experiment Handrail Attachment Mechanism.