EDLシステムをかねた無動力火星ローバーの可能性

摘要

大気突入，着陸，ローバーのすべての機能を，All-in-One のシステムで実現し，崖や谷底などのリスクの高い場所をロバストに探査できる可能性がある球形フレーム構造の無動力火星ローバーについて検討した。火星大気圏突入時の環境に耐えることはそれほど難しくないが，着陸時の衝撃に耐えるためには，機体の構成部材を増やして機体全体に衝撃を分散させ，集中的な荷重を緩和させることが効果的であることがわかった。ローバーとしてのモビリティも，機体の構成部材を増やして，形状を球形に近づけることで向上していく。今後は，着陸衝撃とモビリティについてより詳細な検討を行い，機体デザインを改良することで，さらに実現性が高く魅力的なシステムとミッションを探っていきたい。