複合型制御デバイスによる航空用低圧タービン翼の高負荷化に関する研究

摘要

民間旅客機用エンジン（航空用エンジン）には，高効率，高性能，高信頼性に加え，低騒音性などの高い環境適合性が求められ，高バイパス比のターボファンエンジンが広く採用されている．今後，原油価格の更なる高騰が見込まれ，また環境負荷低減への要求も一層高まることが予想されており，エンジンメーカには，航空エンジンの熱効率更なるの向上に加え，エンジン単体の軽量化による低Fuel Burn化が強く求められている．エンジンの軽量化については，翼枚数，段数が多くディスク直径の大きな低圧タービン部の軽量化が効果的であるとされており，様々な研究が行われている．この軽量化を実現する方法としては，低圧タービン翼の高負荷化による翼枚数の削減やCMC材など複合材適用による軽量化がターゲットとなっている．現在の低圧タービンは効率の維持のため段あたりの動翼枚数が多く，エンジン全体の重量の1／3を占めるとも言われている．新材料による軽量化への期待は大きいが，翼成形に関してはまだ研究レベルであるため，当面は効率を維持しつつ低圧タービン動翼枚数が削減可能な高負荷化技術の開発が求められている．