航空エンジン用高負荷低圧タービン翼の高効率化に関する研究（翼厚みが正圧面剥離及び空力性能に与える影響）

摘要

近年、航空機産業では環境への配慮と運航コスト削減のため、高い環境適合性を備えかつ低燃費なエンジンの開発·実用化が必要不可欠となっており、高バイパス比ターボファンエンジンの更なるバイパス比の増加が見込まれている。このようなターボファンエンジンにおいてはエンジン推力の大半をファンの駆動により得ており、そのファンはエンジン最後方に位置する低圧タービンにより同軸で駆動されていることから、低圧タービンの高性能化はエンジン全体の高性能化に大きく寄与するものであると考えられる。一方、低圧タービンは相対的に低速で回転するため、高い効率の維持を目的とした翼枚数の増加によりその重量はエンジン重量の 2～3 割をも占めると言われている。そのためエンジンの軽量化を目的とした薄翼化及び翼枚数の削減といった取り組みが盛hに成されている。本研究で対象としているような高負荷低圧タービン翼においては、比較的キャンバー角が大きな薄翼形状が多用される傾向にある。