長時間着座時におけるエコノミークラス症候群予防に関する研究

摘要

近年，交通機関の発達により長距離の移動機会が増えたことで，車や電車，飛行機などで長時間同じ姿勢で着座することにより発症するエコノミークラス症候群（静脈血栓塞栓症）が問題になっている.また最近では，2016年に発生した熊本地震の被災者が，避難のために車中泊を行ったり，避難所の狭いスペースでの座りきりの生活を送ったりすることによるエコノミークラス症候群の発症が問題となっている．その原因として，水分不足による血液粘度の上昇や座位姿勢の維持による下腿の血流速度の低下による血栓の発生がある．