( 115-0440) Ti-Al 基合金の高温酸化挙動に及ぼすNb の影響

摘要

ジェットエンジンの低圧タービン翼最終段へのTiAl 基合金の適用が開始されている。TiAl 基合金は、高温での機械的特性に優れるが、その耐酸化性は、1990 年代に多くの研究がなされたが、700°Cを越える温度域における耐酸化性は未だ不十分であり、耐酸化性の向上が要求されている。Nb はTiAl 基合金の耐酸化性を顕著に向上させる元素として知られており、5 価のNb イオンがTiO2中に固溶することにより、TiO2 中の酸素空孔濃度が低下して酸化物イオンの拡散係数が低下する（イオン化制御）メカニズムが提案されている。しかしながら、Ti-低Nb 合金を用いた酸化実験からは、酸化速度の低下が認められないことや、Nb と同じ5 価の酸化物を形成するV の添加では、同様の効果が得られないことから、著者らのグループでは、このメカニズムには疑問があると考えている。本研究では、三元系Ti-Al-Nb モデル合金の酸化挙動を調査しNb の耐酸化性に及ぼす影響をより詳細に検討した。