(98-0283)Cu 母相中に分散した微細Fe 析出粒子の超微細粒組織形成におよぼす影響斎藤 実奈子東工大(院生) (現: (株)IHI)

摘要

巨大ひずみ(Severe Plastic Deformation: SPD)加工によって形成される超微細粒(Ultra fine grain:UFG)組織を持つ材料の熱的安定性を高めるため，析出物のような微細粒子を分散させ，粒界や転位のピン止め点として機能させる方法が提唱され，研究されている．しかし，SPD 加工前に母相中に微細な析出粒子を分散させた場合，この粒子が加工中に粒界や転位をピン止めし，結晶粒の微細化を抑制するという結果と，結晶粒の微細化を促進するという，相反する結果が報告されており，統一された見解は得られていない．そこで本研究では，析出粒子がUFG 組織形成におよぼす影響を明らかにするために，Cu 中に種々の大きさと体積率のFe 粒子を析出させ，ECAP(Equal Channel Angular Pressing)加工によって形成されるUFG 組織の様態を調査した．