(P213-P0018)Al2Au とAl2Pt 金属間化合物における発色メカニズムの理解 : バンド構造の役割

摘要

金属の光学特性は電子構造と関係があり、電磁波が入射することで自由電子による電子分極と価電子帯のバンド間遷移が生じることで説明される。多くの金属では可視光領域における自由電子の電子分極により光を全反射するため銀白色を示す。また、金や銅などはバンド間遷移により可視光の一部を吸収するため発色特性を示す。金属単体においてはバンド間遷移によるエネルギーの吸収が発色に影響すると考えられている。一方、金属間化合物において金属単体と異なる発色特性を持つものがある。それは合金化することで電子構造が変化することにより吸収エネルギーも変化するためと考えられるが、金属間化合物における発色特性に関する詳しい研究はなされていない。そこで特有な色を持つ金属間化合物の中から共に蛍石構造を持つAl2AuとAl2Pt に着目し金属間化合物の発色メカニズムの解明を目的とし研究を行った。