(191-0441)アンミン錯体とボランの反応による新規アンモニアボラン合成法の開発

摘要

アンモニア（NH3）は自然界に豊富かつ水素密度が高いために有効な水素貯蔵材料であるが、①自然界で発生する場合は濃度が低い、②水素放出温度が高い（400 °C以上）1 という欠点がある。①の解決法として我々はNH3 を金属塩で回収する技術2 を提案しているが、生成物のアンミン錯体からNH3 を全て取り出すには高温が必要である。そこでわれわれはアンミン錯体から低温でNH3 を取り出し、かつ②を解決するべく、水素放出開始が100 °C以下であり、かつNH3 を原料とするアンモニアボラン（NH3BH3： AB）に注目した。本研究では、ボラン（BH3）と金属アンミン錯体との反応により直接AB を合成し、かつ副生成物が再利用可能な金属塩となる技術の開発を目的とし、その反応性および両物質の比率（NH3：BH3）と生成物の関係性を調査した。