(204-0257)種々の無機イオンによるマクロファージへの影響井口 真樹人名工大

摘要

骨の代謝に関わる細胞として主に骨芽細胞と破骨細胞が着目される。しかし生体内においてはこれら骨系細胞だけでなく、周囲に存在する他の組織や細胞が複雑に関与している。そのなかでも密接な関係をもつといわれるのが免疫系である。免疫系細胞は、骨系細胞とは異なる生体機能を担う細胞でありながら、骨系細胞と共通の微小環境で分化·増殖し、多くの制御因子を共有している。我々はこれまで、ガラスやセラミックス系バイオマテリアルから溶出する種々の無機イオンが、骨芽細胞や間葉系幹細胞の機能に及ぼす影響を明らかにしてきた。本研究では、これら無機イオンが免疫系細胞に及ぼす影響、および免疫系細胞を介した骨形成機構に対する無機イオンの影響を解明することを目的とした。免疫系細胞の中でも骨代謝に対して最も重要といわれるマクロファージに着目し、まずはマクロファージの代謝活性に対する種々の無機イオン（Ca, Mg, Si, Zn）の影響について検討した。