( P178-P0228) 低熱膨張特性をもつβ -LiAlSiO4 の分子動力学シミュレーション

摘要

半導体デバイスなどの分野では、用いる部品に耐熱性と耐熱衝撃性が求められている。β -LiAlSiO4 は温度上昇に伴いa,b 軸が伸びる一方、c 軸が縮むことで低熱膨張を示す材料である1）。しかしこの熱膨張のメカニズムには未解明の点があり、新たな低熱膨張材料の設計、開発にはこのメカニズムの理解が重要である。低熱膨張のケイ酸塩結晶は原子配列の隙間が多く、酸化物イオンの熱振動の方向に異方性があるという仮説2)が出されている。本研究では分子動力学(MD)シミュレーションを用いてこのメカニズムの解明を試みている。β -LiAlSiO4 の温度変化による構造変化を調査し、温度上昇に伴う密度変化を示さないβ -SiO2 と比較することで仮説の検討の検討も行った。