(157-0091)リン酸カルシウム被覆AZ31マグネシウム合金の生体適合性および生体内劣化挙動の検討

摘要

生体吸収性マグネシウム合金の腐食速度の抑制制御および生体適合性の向上を目的として、水酸アパタイト（HAp）およびリン酸八カルシウム（OCP）などの化学溶液析出による被覆法を開発した。これまでに、被覆により純MgおよびAZ31（Mg-3Al-1Zn）合金の耐食性が向上すること、HApとOCP被覆材で腐食速度が異なること、および繰り返し荷重下でもHAp被膜が良好な密着性を示すことを報告した。マグネシウム合金は小型の骨折固定材や人工骨の足場材料等への適用が検討されている。患部の治癒期間に被覆材が必要な強度を保持できるか否かはその劣化挙動に依存している。本研究では、AZ31合金をHApおよびOCP被覆し、遺伝子組み換えマウス皮下に埋入し、炎症反応の経時変化と材料の劣化挙動について検討した。