遺伝的アルゴリズムを用いた大域的エネルギー最小となる結晶構造探索

摘要

固体の物理的および化学的特性を研究する目的で，電子の波動方程式を解く手法が広く使われている。その手法の中の1つである密度汎関数理論に基づく第一原理計算では，結晶構造の最適化を迅速に行うため，実験的に知られている構造を初期構造として利用する。しかしながら，結晶構造が実験的に未知の場合，安定な構造を見つけるためには，可能な取り得る構造をすべて考慮する必要があり，膨大な計算時間を必要とする。したがって，実験的に知られていない安定した結晶構造を効率的に探索することが可能なアルゴリズムが必要とされており，このような探索問題に対し，メタヒューリスティクスを用いた研究が行われている。