可変デッドタイム制御三相共振スナバインバータのデッドタイム補償に関する一考察

摘要

三相共振スナバインバータ（RSI: Resonant Snubber Inverter）は，補助回路を使用した転流と，補助回路を使用しないロスレススナバ転流を交互に行いソフトスイッチングを実現することで，補助回路の使用により発生する導通損失を低減できる。しかし，ロスレススナバ転流は出力電流のみで共振キャパシタの充放電を行うため，小出力電流領域でソフトスイッチングに失敗する。そこで，出力電流の大きさによってデッドタイムの長さを伸長する可変デッドタイム制御法が提案された。しかし，可変デッドタイム制御法は，小出力電流領域でのソフトスイッチングに成功する一方で，デューティ比の変化により出力電流ひずみ率が増加する。この問題を解決するために，可変デッドタイム制御の三相RSIにデッドタイム補償を適用し，出力電流ひずみ率の低減を行った。本稿ではシミュレーションによりデッドタイム補償の有効性について検証する。