「どうぶつしょうぎ」における戦略決定への強化学習の適用

摘要

本論文では，機械学習に基づく「どうぶつしょうぎ」における戦略決定手法を提案し，その性能評価を行った．本手法では，戦略決定方法として，強化学習の一つであるQ-learningを用い，さらに1手詰のデータベース(if-thenルール)を加えている．提案手法の性能を調べるために，ランダムに駒を動かす思考ルーチンとの対戦ならびに学習を行い，その勝率の変化を算出した．実験の結果としては，if-thenルールを含む手法による学習の方が高い勝率を持つことが示された．また，if-thenルールが失われた場合においても，学習によりそれを補完することが可能であることも明らかとなった．今後の課題として，より少ないif-thenルールによる学習手法の開発などが挙げられる．