アンダーセンヴァイアブルサンプラ一による浮遊コリファージQβの採取

摘要

最近頻発しているノロウイルスによる集団感染事例などは、従来の食中毒事例とは異なり、ウイルス汚染食材の特定ができない例やホテル披露宴などでの2次感染例など、原因が不明なことが多い。ノロウイルスによる感敵性胃腸炎の拡大指標である基本再生産数Roは、Lopmanによると、7～9とSARSや新型インフルエンザよりも高いことから、空気伝搬経路が背景に関与している可能性が指摘されている。東京都では、3年前から「ノロタスクフォース」を立ち上げ、疫学、感染症、感染経路、消毒などの部会に研究者と大学や国の学識経験者らのチームを結集して、集団感染防止対策に当たってきた。研究チームの感染経路実験班の一員として、実験に携わった中で、空気中ウイルスを捕集する方法を検討した結果、アンダーセンヴァイアブルサンプラーが浮遊ウイルスを検出するのに適した方法であることがわかったので、それらの成果について報告する。