細胞機能解析のためのマイクロニードル搭載型バイオプローブの開発（第7報）―プローブ形状および作製プロセスの最適化

摘要

原子間力顕微鏡（AFM）は，大気中のみならず液中においても試料の凹凸形状をナノメートルオーダの精度で測定可能であることから，生体分子や細胞の機能解析用のツールとして，医学·生物学分野での応用が拡大している．本研究では，AFM プローブの先端に中空構造を有する先鋭化マイクロニードルを形成することで，従来のAFM 機能（形状計測·物性評価機能）に加えて，生体分子（DNA やタンパク質など）の注入や採取を可能とする新たな機能を付加したバイオプローブの開発を行っている．本報では液中での細胞機能イメージングに重要となるダンピング特性について有限要素法（FEM）によって評価した．また，バイオプローブのシリコン（Si）カンチレバー内部にマイクロ流路を形成する作製プロセスについても検討を行った．