複合加工機のためのCAPP システムの開発

摘要

近年製造業においては，多品種少ロット生産の需要が増加する傾向にあり，少ロット時でも生産時間を短縮することが求められている．一般的に少ロット生産の場合，大ロット生産に比べ，全生産工程に占めるリードタイム，特に加工データ作成までに必要とする時間が占める割合が大きく，CAM オペレータが加工時間の短いデータを作成した場合でも，そこに至るまでに費やした時間を，削減できた加工時間から取り戻すことができない場合が多く見受けられる．また，1 台で複数の工程を行える複合加工機による工程集約型の高能率生産が注目されているが，市販されているCAM システムの多くは加工データの作成時に，オペレータに多くの手入力を求めるため，NC 旋盤やNC フライス盤などに比べ長い作業時間が必要となる．そこで，本研究では3 次元CAD 上でモデリングされた製品形状から加工形状特徴と呼ばれる形状単位を認識し，素材形状からそれぞれの形状単位にあわせた除去立体を求め，使用工具や加工手順を含む加工プロセスを自動的に設計する複合加工機に対応した工程設計支援システムを開発する．開発したシステムで出力される情報をCAM へ入力することで，オペレータの作業時間の削減が期待できる．