サスティナブル生産システムを指向した竹繊維のみを用いたグリーン自己接着成形体の製造－繊維形状が成形体性能に及ぼす影響

摘要

持続的再生産可能な天然資源の一つとして，竹が注目されている．竹は日本に広く自生し，成長が極めて速い上に，竹繊維は比強度·比剛性が高いことから，その応用が期待されている．そこで著者らは，竹を有効活用したサスティナブルな生産システムを提案した．マシニングセンタを用いたエンドミル加工により形状精度よく竹繊維を抽出し，この竹繊維のみを用いて，ホットプレス成形法により自己接着成形体の製造を試みた．竹繊維の自己接着性は，その成分（主としてリグニンと考えられる）の熱融着に起因すると考えられることから，まずは成形温度を変化させて，適正温度を明らかにした．ここで，竹繊維の自己接着性を高めるためには使用する竹繊維の比表面積を大きくすることも有効と考えられる．そこで本報告では，竹繊維形状，とくに繊維長さが成形体の機械的特性に及ぼす影響を明らかにした．