PORTSに基づく遺伝的プログラミングに適した世代交代モデルに関する実験的考察

摘要

丹治らは，遺伝的プログラミング(GP)のための多親型子個体生成手法PORTSを提案している．PORTSは，従来の子個体生成手法では組換え困難な解を生成可能で，集団内の解の分布や多様性も維持可能であることから，きわめて有望な要素技術だと考えられる．一方，GPの性能はGPの各世代における集団の書き換え方法を定めた世代交代モデルにも依存する．PORTSに適したモデルを採用することで，より強力なGPが確立できるものと考えられる．しかしながら，PORTSに基づくGPの適用事例では，それに適した世代交代モデルが明らかにされていないにもかかわらず，従来の単純GP型世代交代モデルが採用されており，PORTSの優れた性質が活かされていない可能性もある．本研究の目的は，PORTSと種々の世代交代モデルを組合せたGPの性能比較を通して，PORTSに適した世代交代モデルに関する有用な知見を得ることにある．