ドップラーセンサを用いる簡単な生体計測アルゴリズムに適した体動影響除去法

摘要

畜産業において，動物の健康管理や病気の早期発見を目的としてIoT化の需要が高まっている．牛，豚，鶏といった動物の呼吸や心拍を継続的にモニタリングすることにより，畜産業の生産性を改善できる可能性がある．しかし，こうした動物にはセンサの取付けはむずかしく，また取付けの手間もかかるので，呼吸·心拍の計測にあたって，おのずと非接触計測が求められる．非接触生体計測の方法の一つとして知られるドップラーセンサは，畜産業への応用にも有望である．しかし，特に動物の計測においては体動を予測または制御することが難しいので，体動への対策が重要となる．そこで本稿では，これまで提案してきた簡単なパラメータ推定法に適した簡単な体動除去法を提案する．また，この方法を，牛を対象として行った呼吸モニタリング実験で得られたデータに適用した結果を報告する．