低炭索鋼溶接金属のアシキュラーフェライト解析

摘要

低炭素低合金鋼溶接金属においては、アシキュラーフェライト組織とすることによって鞠性を確保してきた。溶接金属中の酸化物とフェライトの界面に膜状のTiOが生成し、これがアシキュラーフェライトとBaker Nuttingの方位関係（B-N関係）を満たし、フェライト核生成を促進していることが報告されている1）。しかし、アシキュラーフェライトは旧オーステナイトに対してKurdjumov-Sacksの方位関係（K-S関係）を満たすことが知られており2）、アシキュラーフェライトはこの両者に対しての方位関係を満たす必要がある。本研究ではこの点に関してアシキュラーフェライトがどのように両者の方位関係を満たしているのか検討を行った。