我社における浸炭焼入技術の現状と今後の課題

摘要

ここ最近は排ガス規制強化の影響で大型商用車の生産量は若干回復してきたが，それでも一時期よりかなり生産量が低いのが実状である．このため，我社では，コスト体質改善のための生産拠点統合·再配置を実行中である．右肩上りの時代には，部品の種類や形状別にある程度専用炉化して運営してきたが，稼働率向上のための生産集約により，新たな課題が発生してきている．一方，動力伝達系のトランスミッションにおいては，ディーゼルエンジンの排ガス対応のための高出力化にともなう大幅な許容トルクアップが重要な課題である．このため，新構造の採用が必須であり，浸炭Gearの大幅な強度向上が求められている．このような背景を踏まえて，ここでは，トランスミッション等の駆動系部品に採用されている浸炭焼入技術に関する我社の生産技術面の課題と新構造トランスミッション部品における材料·生産技術面の課題とキーテクノロジーについて述べる.