積層前駆体膜から作製したBi,Pb-2223 超伝導薄膜の超伝導特性

摘要

ビスマス系線材の特性が近年飛躍的に上昇し、実用化を目指した機器開発が盛hに行われている。特に省エネルギー利用を目指した電力ケーブル、MRI 用マグネットやモーター等への応用が期待されている。これらの用途に用いるためにはビスマス系線材のさらなる臨界電流密度特性 (J_C）向上が課題となっている。我々のグループでは J_c 特性向上のための指針を得るために線材と同じ元素数を有した Bi，Pb-2223 薄膜を用いた基礎的な研究を行ってきており、亮特性やBi，Pb-2223 相の生成メカニズム等の解明を行っている。近年、我々のグループでは Bi，Pb-2223 ペレットと同時に熱処理を行う手法により、Pb をBi-2223 相中に注入することに成功し、高い特性を上げっっある［1，2］。しかしながら、Bi，Pb-2223 超伝導相の生成過程、超伝導電流経路等を含めて不明なことが多い。我々は Bi-2212 + CaCuPbO → Bi，Pb-2223 の反応過程を模擬するために多層前駆体膜の作製および熱処理における組織変化とその超伝導特性の変化について研究を行った。