極端気象下での地下街浸水時の安全避難について

摘要

記録的短時間降雨による都市型水害が頻発しており， 地下鉄?地下街?ビル地下室などの地下空間が浸水して いる.著者らは大阪梅田の大規模地下街を含む海老江処 理を対象に表-1に示す2種の実績降雨にっいて検討し， 表-2に示すように2008年に発生した岡崎豪雨のような短 時間に集中する降雨パターンが地下空間浸水への影響が 大であることという結論に達した.この結果に基づき， 従来，岡崎豪雨を用いた内水氾濫に関する検討を行って きた.しかしながら，2013年8月25日に対象地区で10 分間降雨27.5mm (観測史上1位）を記録した.この10分 間降雨が1時間続くと165mmとなり岡崎豪雨の記録を上回 ることとなる.そこで，このような極端気象下での地下 浸水時の地下街の安全避難にっいて検討することが本研 究の目的である.以下では，土木学会第72回年次学術講 演会にて口頭発表した一部の結果を含めた検討結果を 示し，計画を大きく上回る降雨を対象に地下空間浸水時 の安全避難について検討した.