ポップアウトしやすい標識のあり方: 高齢者と若年者の比較

摘要

地下鉄構内では，その空間の雰囲気が良いとか快適で あることが望ましい.その際，標識などの存在がわかり やすく自分の行き先を容易に知ることができるとか，運 賃表のように雑多な文字情報のなかから目的とするもの を検出しやすいか否などが快適性に影響すると考えられる.近年，現行の標識がわかりにくいとか複雑すぎるという批判に対応した改善の試みはあるが，いずれも 基本的には視認性という枠組みの中でなされてきている. これに対して，本研究では視覚的注意のなかで視覚探索 という雑多なものの中から目的とする視標（ターゲッ ト）を検出するという事柄を考慮して，この方法を標識 採索に利用しようするものである.しかし従来からの探 索研究では，刺激として短冊型のものが用いられているが，本研究の目的は標識の評価を念頭に置くため文字を 刺激とした.さらに従来からの研究では，目的とする刺激を検出できるまでの探索時間（反応時間）を求めてい る.本研究ではその方法を踏襲して，反応時間視環境設 計に役立たせようとするものである.