立地条件および水災害ハザードマップを用いた地下街の浸水脆弱性に関する検討

摘要

近年，都市域での浸水被害が増加傾向にあり，地下鉄 や地下街等の地下空間浸水が頻発している.著者らは，これまで大阪の地下街や地下鉄の浸水に関する検討を行 い，水災害（内水氾濫，外水氾濫，津波および高潮による氾濫）による地下空間の浸水脆弱性について指摘して きた.これらの検討では，浸水解析結果に基づくも のであり，詳細な地形データや地下空間の現地調査結果 を用いて構築した数値計算モデノレを用いている.また， 解析モデルの検証には，公開されている浸水ハザードマ ップや浸水実績調查結果を用いている.同様の検討は， 東京を対象とした関根らや名古屋を対象とした武田ら によってなされているが，一般の地下空間利用者には同 様の検討は不可能である.そこで，本研究では，一般利 用者が利用できるWEBサイト等で公開されている地下街の地盤高·河川や海岸からの赚といった立地条件， および地下街の存在する市が公開しているハザードマップから得られる情報から地下街の浸水脆弱性について検討した.