都市のリノベーションに資する地下空間の創出及び機能更新の課題と対応策

摘要

大都市では，既成巿街内の中で効率的な都市活動を 営むために，地下空間が活用されてきた.一方，都市機 能更新時期を迎え，さらに都市再生，活性化に資する都 市の形成が行われ，それと同時に新たな地下空間の形成 や機能更新が行われているが，その推進に当たっては， 法制度上の課題，事業費の確保などさまざまな課題に直 面している.また都市のリノベーションにおける地下空 間が果たす役割は大きく，既成市街地内の中で効率的な 都市活動を営むために，地下空間が活用されてきている. 地下空間の利用は，土地の区分で公共用地と民有地とで明確に区分があり，新規整備やネットワーク化に関して は，過去の火災災害を踏まえ厳格に規制さ入れていた. しかしながら，都市のリノベーションに資する都市再開 発において地下空間がネットワークとして担う有效性が 認められ，公道下?地下鉄道施設·民有地下を有機的に 連結し，都市空間に新たな魅力を創出している.特に近 年，都市再生特別措置法による都市再生特区，国家戦略 特区制度を活用した国際競争力の強化?国際的な経済活 動の拠なの形成を目的とした都市再開発においても，地区内交通の円滑な処理，鉄道駅との連絡，供給処理施設の設置などの親おから地下空間の活用が積極的に謳われ ているところである.