異なる二つのはりで構成される連続体の定常衝突振動解析

摘要

配管は構造用鋼管をはじめ石油や天然ガスの輸送に用いられる油井管など幅広く用いられている．化学プラントなどにおける配管では継目としてフランジなどの付加物が取り付けられることで様々な配管の組み合わせや構成が可能である．また様々な構造物の建設では端面の食い違いが発生する溶接や径違いソケットをはじめ，異径管継手など異なる径の配管や材料を用いることは比較的少なくない．そのような構造物の中でも高温流体を扱う配管では，熱膨張の逃げを目的とした支持部や要素間にがたが存在するが，このがたによる衝突振動の発生が懸念される．衝突振動は大きな非線形性を有する振動であり，大きな運動エネルギーを容易に生み出すことができるため衝突加工機や削岩機などの産業機械へ応用される．一方で性能や寿命の低下，疲労破壊に繋がる可能性があり，制振や防振面を考慮した耐震設計に大きな影響を及ぼす．そこで応答振動の推測が困難である衝突振動については個々の実例についての解析が必要とされており，化学プラントなどに用いられる配管系のような連続体に発生する衝突振動解析が数多く行われている．単一の調和励振や任意周期関数励振が作用する場合などの仮定や手法についての解析が多い中で配管系の様々な構成や種類などのモデルの解析については不十分のようである．